札幌市手稲区内の河川敷沿い、約70坪の台形状の変形敷地。
いわば「かわ」と「まち」の境目(EDGE)に建つコートハウスである。
施主は2人の子供を育てる30代の共働きのご夫婦。仕事と子育てに日々忙しいご夫婦から最初に伝えられた家づくりのコンセプトは「末永く機能的で快適な品のある家」
具体的には、
・起床から出勤までと帰宅から就寝までの生活動線を機能的にストレスフリーに収めたい。
・子供の成長に伴い変化する生活形態に柔軟に対応できるプランを。
とのことだった。
これらの要望に対する解答として、1階のプランはオープンキッチンを中心に一方は家族共有のクローク-洗濯室-ユーティリティー-バスルームを回遊動線でつなげて、脱ぐ→洗う→干す→しまう→着る の動線を無駄なく機能的にまとめた。キッチンからのもう一方の脇には家族共有のライブラリー&ワークスペースを設け、リビングとつなげながらも多少雑然としても気にならないような配置としている。さらに、リビングに隣接して畳敷きの小上りを設け、子供のプレイルームやゲストルーム、将来の主寝室等多目的に使えるスペースとした。1階と吹き抜けを介しゆるやかにつながる2階の寝室エリアは、子供の成長に応じてフレキシブルに対応できるように、あえて性格付けをしない3つのスペースを建具なしで成立するようにプランニングしている。
敷地より3m程高い河川敷の遊歩道や近隣からの視線をかわす様に設けた中庭は、エントランスホール、リビング~キッチン、バスルームからそれぞれ違う景色が楽しめるように植栽を配している。更に2階のホールとルーフテラスからは遠くの山並みと河川敷の緑が楽しめるよう開口部や壁の高さを注意深く決めていった。
こうして完成したEDGE COURTは家族4人を末永く快適に、そしておおらかに包み込む家となったのではと思っている。
リビング・ダイニングを望む。裏側に階段が納まる杉羽目板壁が空間のアクセントとなっている。
2Fからのリビング見下し。南側ハイサイドライトが河川敷の緑を切り取る。
ユーティリティーから中庭へと開いたバスルームを望む。
アプローチを兼ねたカーポート正面外観。カーポート上は河川敷の景色を楽しむプライベートテラスとなっている。
キッチンから奥のライブラリーを望む。
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