札幌市中心部に程近い築26年の9階建てマンション。
この物件のオーナーであるSさんご夫婦は最上階5LDKの1フロアを自分たちの住まいとしてまったく新しい空間に再生させること希望した。
施主夫婦との話し合いを重ねていく中で、
・既存の内壁・仕上げはすべて取り払い断熱改修、設備改修を行う。
・全体をひとつのオープンな空間とし、内部を、中央にしつらえる水まわりの最低限のコアと可動式家具のみで緩やか、かつフレキシブルに仕切る。
・外部テラスまわりもしっかりとつくり込み、近隣が気にならない静かな空間とする。
という大きな方針を固めた。
さらに、マンション特有の柱・梁は壁面収納や間接照明でできるだけ意識させないようにして、素材感のある、すっきりとした内部空間となるように心がけた。
2ヶ月半の工事を経て、住まいは水まわりを中心に機能的な回遊動線を持ち、各室が緩やかにつながる伸びやかで広がりを持った空間へと生まれ変わり、テラスにしつらえた庭園はマンションとは思えない季節感のある景色と静けさを内部空間にもたらすこととなった。
ムーブネットと名付けた可動式の4畳半の書斎は子どもの格好の隠れ家に。
これから先も子どもの成長やそれぞれの生活の変化に合わせて、家族をおおらかに包み込むような住まいとなったのではないかと思っている。
ムーブネットの扉を開いた所。自在に移動しオープンな空間を仕切る。
リビング夕景。取り替えた窓が庭の景色を切り取る。
エントランス。
テラス夕景。リビング・ダイニングはテラスごしに庭と一体となる。
収納たっぷりのオープンキッチンとした。
バスルーム。ガラス越しにワークスペースからの光を取り込んでいる。
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