旭川市永山に建つ築20年の住宅のリフォームである。
施主は30代のご夫婦。約10年前にこの住宅に住み始め、小規模のリフォームを行っていた。しかしながら、家族構成と間取りが合っていない事や、冬期間の屋根雪の問題にストレスを感じてそれらを根本から解決できるような大規模リフォームを思い立ったとの事、何より愛猫のシュシュ君と一緒に楽しく過ごせる空間を実現したいとのご希望だった。
具体的には、基礎と1階部分の柱・一部車庫廻りのみ利用し、2階部分は新たに造り変えて総2階建てのクローズドな空間から平屋のボリュームを持つオープンな空間への減築リフォームとした。
断熱・気密改修はもちろん、設備や内外部の仕上げに至るまで手を入れることで、まるで新築であるかのような全く別の住宅へと生まれ変わった。
緩やかな弧を描く塗り壁のエントランスアプローチから玄関へ入ると、吹き抜けを持つ開放的なエントランスホールが拡がる。ホールの先はこの家のメインであるキッチン、ダイニング、リビング。これらは吹き抜け越しに2階と、そしてテラス越しに外部とゆるやかにつながり、驚くほどの伸びやかさと開放感に満ちた空間となっている。リビングには猫の動線を考慮した色々な楽しい仕掛けが織り込まれており、吹き抜けを介して1階と2階を自由に登り降り出来る様になっている。2階はあえて性格付けをしないオープンでフレキシブルなスペースとし、書斎、寝室、クローク等として自由に使えるように想定している。
フルリフォームを経て生まれ変わったHA邸はご夫婦と愛猫が穏やかに楽しく時を重ねていく家となったのではと思っている。
エントランスホール。吹抜を登る桁階段をしつらえた伸びやかな空間。
リビング全景。吹抜を介して2階オープンスペースとゆるやかにつながる。猫の為の仕掛けが織り込まれた空間。
リビングよりダイニングを望む。テラスとひとつながりになったオープンなスペース。
ダイニング、キッチンを望む。すっきりとしたオープンキッチンに生まれ変わった。
既製の洗面化粧台を端整なユーティリティへと造り変えた。
2階よりダイニング、リビング見下ろし。
2階見通し。多様に使えるオープンなスペース。
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