TAO建築設計


HIRAYA

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あえて道路面にほとんど開口部を持たない外観。

本住宅は、小樽の中心からほど近くの坂に位置している。間口19メートル×奥行25メートルの敷地は、長い石積みの擁壁を持ち、この土地の地域特有の歴史と風情を感じさせる。

この特色ある敷地を十分に生かすことと、40代の施主夫妻+猫が営む暮らしのイメージを重ね合わせ、約21メートルの奥行きをもつ伸びやかな平屋が導きだされた。

道路側に対しては、開口の少ない黒の杉羽目板張りのおさえた外観となっている。石積みのエントランス内部に足を踏み入れると、奥行きのある南側メインコートがまず目に飛び込んでくる。

ホールへと体の向きを変えると北側のバスコートが、そしてリビングの方に進んでいくと、南側・北側の両サイドに低い目線からの眺めを考えて配した連続窓が続き、刻々と景色を変えていく。

特に玄関脇のオーディオルームや、リビング・ダイニングにおける北側窓は、石積壁を印象的に切り取ったものとなっている。

変化に富んだ内部の景色は素材感のあるインテリアと一体となり、上質で伸びやかな空間を生み出す。さらに、カーポート屋上のテラスからは、この敷地一番の海への眺望を用意した。

この敷地ならではの、静かで豊かな時を施主夫妻が重ねていくことを祈っている。

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